月次祭 御歌
観音の衣(ころも)をかなぐり捨て給ひ メシヤと生(あ)るる大いなる時
大いなるメシヤの御手に地の上の 一切万有救はるるらん
待ち望む真の救ひは現はれぬ 眼醒(まなこ さ)ませよ万国人(よろず くに びと)
祖霊大祭 御歌
三界万霊(さん がい ばん れい)メシヤの出(い)でて喜びの声なき声は世に響くなり
魂機張(たま き は)る生命(いのち)は神のものにあり 神に叛(そむ)きて栄え得べきや
神を恐れ正しき道を守る人 つくるぞわれの使命なるらん
聖言
夜の終わり近づけり 汝等悔い改めよ
大聖キリストの曰(い)った「世の終わり近づけり汝(なんじ)ら悔い改めよ」と、また一面「天国は近づけり汝ら悔い改めよ」とのこの二つの警告はこの意味を本当に説いたものは未だかつてなかったようである。勿論時期至らなかったためでもあるが、私が常にいうところの今日(こんにち)までは夜の世界であったからで、それが時期いよいよ来(きた)って夜の世界はここに終焉を告げ昼の世界に転換することとなったという意味とよく合致していることである。すなわち世の終わりとは夜の終わりであり、天国とは昼の世界をいうのである。すなわち今日までの苦悩に満ちた暗黒世界は夜の表徴であり、昼の世界とは光明遍く罪悪も苦悩も打ち断れた歓喜の世界である。*
いうまでもなく霊界においては夜の期間中は水素が主で火素が従であったものが昼の世界に入るやその反対に火素が主で水素が従となるのである。すなわち暗が明に変わるのである。それだけなら別段心配することはないが、実はこれによって空前の大変化が起こるのである。というのは未(いま)だかつて経験にないほどの破壊と創造が行われる。すなわち霊界においては濁が清となり、そのまま現界に移写されるから現界はいかに大いなる変異を起こすか想像にあまりある。勿論霊界に火素が殖える結果として浄化力発生とともに時の経過に正比例して漸次強化されるのである。その表れとして善悪正邪は明らかとなり全人類に浄化が行われる。*
何と恐るべきではないか、このような大浄化が人類を襲う結果一大恐怖時代が出現し滅ぶ者数知れずということも想像されうるのである。このことに対してもキリストは最後の審判の言葉をもって一大警告を発せられている。ただ今日までこの審判の真相と時期が判然と分からなかったので人類は真の自覚を得られなかったのである。しかるにいよいよ時の迫ったいま、神は私をしてここに一大警告を与えるべく、具体的に書かしめ給うたのである。
以上の意味において、大審判がいまや全人類の頭上に蔽い被さらんとするこの秋(とき)一人でも多くの人間を救い給うのが神の大愛である以上、大審判の執行者であり人間の生命を握られ給うのであるから、神の御手に縋って罪を許されるよりほかにこの難関を切り抜ける方法は絶対ないのである。すなわち人類が負える罪の重荷を神の御手によって取り除かれ清められる以外救われる道はないからである。
私はこの最後の救いの執行者として、神の委任のままに責任を遂行すべくここに一大警鐘を鳴らすのである以上、耳を塞ぎ聞くを欲せざる人はみずから滅びの運命を選ぶ人というよりほかに言葉はない。いよいよの時になって悔い改むるももはや取り返しのつかないことを警告して筆を擱(お)くのである。
『天国の礎』 宗教 上 (昭和二十四年十二月三十一日)
*祭典用に一部省略しております。