〔明主様〕
 多くの人は絶えず邪念に冒され、魂が曇り、心の盲となっている為見えないのである。これに就いて私は長い間凡ゆる人間の運不運について注意してみていると、それに間違いない事がよく分る。では正義感の不足の根本は何かというと、即ち眼には見えないが、霊の世界というものが立派に存在しているのである。そうしてその霊界には神の律法というものがあって、人間の法律とは異い厳正公平、聊かの依怙もなく人間の行為を裁いているのである。処が情ない哉人間にはそれが分らない為と、又聞いても信じられない為とで、不知不識不幸の原因を自ら作っているのである。
 そんな訳で世の中の大部分の人は、口では巧い事を言い、上面だけをよく見せようとし、自分を実価以上に買わせようと常に苦心しているが、前記の如く神の眼は光っており、肚の底まで見透かされ、その人の善悪を計量器にかけた如く運不運は決められるのであるからどうしようもない。 
19531223日「正義感」

 

〔聖書〕
神の言は生きていて、力があり、もろ刃のつるぎよりも鋭くて、精神と霊魂と、関節と骨髄とを切り離すまでに刺しとおして、心の思いと志とを見分けることができる。 そして、神のみまえには、あらわでない被造物はひとつもなく、すべてのものは、神の目には裸であり、あらわにされているのである。この神に対して、わたしたちは言い開きをしなくてはならない。
「ヘブル人への手紙」第412節~13

 

教会誌『グローリー』No. 26, 2022/3月号掲載
 出典:『口語訳聖書 1954/1955年改訳』(日本聖書協会)

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