教団の祭日について
教主 岡田 陽一
教主後継者 岡田 真明
1950年2月4日、キリスト教と呼応し人類の善導と救済に全智全能をあげて働いてゆきたい、という一大獅子吼をもって世界メシア教を開教になられた明主様は、それからひと月余り経った折、機関紙『救世』においてインタビューをお受けになり、記者の「世界平和が宗教の力で実現可能ですか」という問いに対し、
絶対可能と信じている。前にも述べた通り、西洋にキリストあり、東洋にメシアあり、この二大勢力が東西相呼応して平和のために全信徒が、真面目にたたかってゆくなら必ず永遠の平和がもたらされるものと思う。
『救世』53号 昭和25年3月11日発行
とお宣べになり、キリスト教とメシア教が相呼応しなければ、そして、キリスト教とメシア教という二つの宗教の全信徒が共にたたかってゆかなければ、永遠の平和は打ち樹てられない旨お示しになりました。
ご在世中、世界メシア教という教団名を変更されずにご昇天まで貫かれたことを思います時、キリスト教徒と共に歩みたい、キリスト教徒と共に世界平和、人類救済を成し遂げたいという明主様の思いがいかに強かったかが伺われますと同時に、私たちの長年の歩みは、この明主様のみ心に適ったものだったのかどうか疑わざるを得ません。
しかし、皆様方の明主様を一心にお求めになる不撓不屈の信仰心と情熱、さらに、明主様が遺された教主の座に対する真摯な思いが結集し、明主様ご昇天後隠されていた「世界メシア教」の聖名(みな)は、2020年2月4日に復活いたしました。明主様のお喜びはいかばかりだったでありましょう。
同時に、皆様は、キリスト教と呼応し人類救済を進めていくこと、そして、明主様に倣い、キリスト教徒も同じ「明主様の信徒」であり仲間であることを認め、長年ないがしろにしてきた明主様のみ心、願いを、皆様方の手によって実現しようと努めてくださっていますこと、深く感謝申し上げます。
このような明主様のご神業の著しい進展を思います時、キリスト教と呼応したい、キリスト教徒と共に歩みたいという明主様のみ心にさらにお応えさせていただくため、本日を期して、キリスト教の三大祝日とも言われる、イエス・キリストの復活祭の「イースター」、イースターから50日目(49日後)の聖霊降臨祭とも呼ばれる「ペンテコステ」、そして、イエスの生誕日とされる「クリスマス」を、明主様のご生誕日等と同じく、正式に、教団の祭日と定めさせていただきます。
皆様ご存じのように、クリスマスは毎年12月25日と決まっていますが、イースターとペンテコステは、春分の日や満月の具合により、毎年日付が変わる移動祝祭日であり、例えば、来年2023年のイースターは4月9日、ペンテコステは5月28日、再来年2024年のイースターは3月31日、ペンテコステは5月19日となっています。なお、イースターの日付は、カトリック等の西方教会と東方教会によって違いますが、基本、西方教会のほうの日程に合わせるようにしたいと思います。
1954年、脳溢血のご浄化をお受けになった明主様は、今度の浄化は「もう嬉しくて嬉しくて堪らない」こと、そして、このご浄化が「特にキリスト教と関係がある」旨仰せになりました。
その1954年のイースターは4月18日であり、明主様が脳溢血のご浄化を受けられた4月19日と一日しか違いません。
4月19日から約50日経った6月5日、明主様は、教団幹部に対しメシア降誕の御言葉を宣べられますが、その年のペンテコステは6月6日であり、ここにも一日の違いしかありません。
言うまでもなく、明主様のご生誕日である12月23日は、イエスの生誕日とされる12月25日と2日しか違わなく、従って、「イースター」「ペンテコステ」「クリスマス」というキリスト教の三大祝日が、ここまで明主様とのつながりがあることは驚き以外の何物でもなく、「偶然」のひと言で片づけることなど到底できません。
明主様ご自身、イエス・キリストとご自分のことについて、「二千年の時を矩って、何等かの霊的連繋ある事は否定出来ないであろう」、そして、イエスと明主様のご関係には、「神の密意」があると仰せです。
その「神の密意」を私たちに気づかせるために、主神が、明主様ご生誕の日を、脳溢血を受けられる日を、メシア降誕の御言葉を宣べられる日を、予め定められていたと思わざるを得ません。
欧米をはじめ世界中のキリスト教国においてはもちろん、キリスト教国ではない日本においても、近年、クリスマス、また、イースターを祝う習慣が根付きつつあります。これは、その背景にいかに商業的な理由があろうとも、キリスト教徒がほぼいない日本において驚くべきことです。
この事実が意味するところは、一言にして言えば、イエス・キリストという存在が、全人類にとり、無視することのできない存在であることの裏返しでもありましょう。
今まで私たちは、クリスマスや、またイースターの盛り上がりを、どこか一歩距離を置いて眺めてきたのではないでしょうか。
しかし、本年を期して、私たちは、クリスマスとイースターなどでの街の華やぎを、まさに私たちのためだと受けとめ、クリスマスシーズン等を目いっぱい満喫させていただきましょう。
そして私たちは、ただお祝いするのではなく、さらにもう一歩踏み込み、イエスの誕生と明主様の誕生に込められた、まさに神秘中の神秘とも言える「神の密意」に思いを馳せ、世界中のメシア教徒と共に、キリスト教徒と共に、キリスト教の三大祝日をお祝いさせていただきましょう。
本年は、明主様がご生誕になってから140年を迎える節目の年に当たります。
私どもは、この年末、世界中で御生誕祭を執り行いますが、その御生誕祭の日には、明主様のご生誕のみならず、新たに教団の祭日となったクリスマスであるイエスの聖誕も共にお祝いさせていただき、これからより一層、全人類の救いのため、永遠の平和の実現のため、即ち、明主様のみ心成就のため、キリスト教と呼応しての救いに、世界中の信徒の皆様一丸となり、共に邁進してまいりましょう。